プロジェクト

脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル

プロジェクトの趣旨

気候変動対策に関する新しい国際的取り決めであるパリ協定が2016年に発効し、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという目標が、世界的に共有された。これから数十年の間に、エネルギーの使い方を始めとするライフスタイルや、経済・社会のあり方にも大きな変化が求められることになる。

この脱炭素社会への転換は、私たちの生活の質に、いったいどのような影響を及ぼすと考えるべきか。また、そもそも温室効果ガスの排出を実質的にゼロにするという目標は、どれくらい実現可能性のあるものだと受け止めるべきか。気候変動対策を進めていくうえでは、こうした点について社会的に認識を共有する必要があると思われる。しかし、現状では、世界的にはもちろん日本国内でも、相当の意見の隔たりが存在する。

こうした論点をめぐって、異なる背景と多様な意見を持つ一般の人びとがじっくりと議論し、合意に基づく意見形成を行う可能性を探る社会実験として、2019年3月2日、3日、「脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル」を開催した。これは、地球環境問題の解決に資する市民参画のあり方をテーマとした、北海道大学と大阪大学、国立環境研究所、名古屋大学、明治大学、日本科学未来館による共同研究の一環として行われた。

議論は、市民会議の代表的な手法の一つとして、世界各地で40年以上にわたり用いられてきた市民陪審の方式を用いて進められた。この方法では、社会の縮図となるよう無作為抽出などの方法で集められた20名前後の討論者が、あらかじめ決められた論点をめぐって、参考人を務める専門家の証言も聞きながら話し合い、最終的に全員の合意で論点についての意見をまとめる。

今回は、研究実施機関である北海道大学の周辺地域(札幌市および周辺 8 市町村の人口約250万人の圏域)にお住まいの方の中から、年代・性別等のバランスを考慮しつつ18名を討論者として抽出し、集まっていただいた。この18名が、参考人を務める7名の専門家の話を聞き、脱炭素社会への転換と生活の質をめぐる3つの論点について話し合い、結論をまとめた。

以下の報告書では、この市民パネルの実施状況のあらましと、討論者(市民参加者)が議論の末に作成した、脱炭素社会への転換と生活の質をめぐる意見(結論)を報告する。今回の社会実験の経験を、脱炭素社会への転換をめぐる社会的議論の必要性を感じている関係者や、関心を持つ一般の方々に幅広く参照・活用いただければ幸いである。

 

2019年3月7日

脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル
実行委員一同

*「脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル」報告書の「はじめに」から抜粋し、一部改変しました。

 

結果報告

最終報告書(2019年10月発行)

脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル報告書(北海道大学HUSCAPのページに移動します)
脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル報告書(PDF)

 

報告書速報版(2019年3月発行)

脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル 政策関係者のための報告書(北海道大学HUSCAPのページに移動します)
脱炭素社会への転換と生活の質に関する市民パネル 政策関係者のための報告書(PDF)

研究メンバー

(所属等は市民パネル開催当時のもの)

研究代表者

三上 直之(北海道大学高等教育推進機構准教授、環境社会学・科学技術社会論)

研究分担者

八木 絵香(大阪大学COデザインセンター准教授、科学技術社会論・災害心理学)
江守 正多(国立環境研究所地球環境研究センター副センター長、気候変動の将来予測とリスク論) 
田村 哲樹(名古屋大学大学院法学研究科教授、政治学・政治理論)
松浦 正浩(明治大学大学院ガバナンス研究科教授、合意形成論・交渉学) 
池辺 靖(日本科学未来館科学コミュニケーション専門主任、科学コミュニケーション)
工藤 充(大阪大学COデザインセンター特任講師、科学コミュニケーション・科学技術社会論)
岩崎 茜(国立環境研究所社会対話・協働推進オフィスコミュニケーター、科学コミュニケーション) 

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本プロジェクトは科研費の支援を受けて行いました。

科研費基盤研究(B)「地球規模かつ超長期の複合リスクのガバナンスにおけるミニ・パブリックスの役割」(JP17H01927)
2017年4月〜2020年3月
研究代表者:三上直之
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01927/

活動の様子 一覧

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