活動の様子

2020年12月6日 掲載

気候市民会議さっぽろ2020、後半スタート

気候市民会議さっぽろ2020は、12月6日(日)午後に第3回会議をオンライン(Zoom)で開きました。

3つの論点のうち論点3「移動と都市づくり、ライフスタイル」について、3人の参考人の情報提供を受けた後、グループに分かれて議論した後、この会議で初めての投票を行いました。会議は折り返し地点をすぎ、まとめに向かって進んでいきます。

会議は前回までと同様、参加者と参考人、傍聴者、主催者側全員で記念撮影してから開会しました。


主催者挨拶とガイダンスの後、3人の参考人によるレクチャーと質疑応答を行いました。

1番目の参考人は、原文宏さん(一般社団法人北海道開発技術センター理事・地域政策研究所長)。「移動と都市づくり」と題して、自動車などの移動・輸送手段から出る温室効果ガスの排出削減の方法についてレクチャーしていただきました。

「モータリゼーションの急激な進行とともに公共交通機関が衰退し、輸送機関別のシェアにおいて自家用車が多くを占めるようになった。技術だけでは解決が難しい社会的ジレンマや習慣の変化がある中で、いかにして態度行動変容を促していくか、考えてほしい」(原さん)

2番目の参考人は、岡崎朱実さん(北海道地球温暖化防止活動推進員)。「「ライフスタイル」の選択を促す「しくみ」や「取り組み」を考える」と題して、市場で待機時消費電力の少ない製品が増えたことを例に、成果が出るまでには時間がかかるもののデフォルト(標準や定番)が変われば大きな変化が期待できること、そのための取り組みとしてトップランナー制度や省エネルギーラベルなどをご紹介いただきました。

3番目の参考人は、これまで毎回登場されている札幌市環境局の佐竹輝洋さん(環境政策担当係長)。「札幌市における移動と都市づくり、ライフスタイル対策について」と題して、2016年比で2030年までに55%削減、2050年までに100%削減という目標のもと、ゼロカーボンシティに向けた考え方や取り組みについてご紹介いただきました。

札幌市では自動車保有台数が増加していることから、次世代自動車を普及させるため、電気自動車や燃料電池自動車への補助金が運輸部門における温室効果ガス排出対策の一例として挙げられました。また、バスの利用者数が減少していることからその利便性向上への取り組みや、自家用車を使わない「歩いて暮らせるまちづくり」によりQOL向上を目指す取り組みなどのお話もありました。

参考人によるレクチャー後には、質疑応答が行われました。

参加者からは、「移動を制限した脱炭素は難しいと考えるか」「省エネ家電はファミリータイプの大きなものが多く不便だが、単身者や小家族世帯に需要のある家電の提案はできないか」「交通結節点(複数の交通機関が接続する場所)の開発に駐輪場増設は含まれているか」「ガソリン車の販売禁止の規制が各国で加速する中で、ガソリン車がなくなるまでの実際の予測はどのような状況か」など、様々な観点からの質問があり、活発な議論となりました。

休憩を挟んで、前回までと同じグループに分かれて、脱炭素化の選択を促すための移動と都市づくり、温室効果ガス排出削減に向けた市民のライフスタイルについて議論を行いました。今回は約1時間45分、グループでじっくりと話し合うことができました。グループディスカッションの途中で一度、全体のミーティングルームに戻り、各グループでどんな意見が出ているかを共有して互いに参考にしつつ、さらにグループでのディスカッションを続けました。

最後は、前回話し合った論点2と今回の論点3を対象に5つの問いに対して、投票を行いました。参加者は、それぞれの問いの選択肢に優先順位をつけ、その上で、順位づけの理由、特に重要だと思う取り組みの具体的内容、そうした取り組みを促すのに効果的な政策やしくみなどを自由に記述しました。

いよいよ次回は最終回です。12月20日(日)13:00~17:00に行います。論点1「脱炭素社会の将来像」について話し合い、最後に、脱炭素社会に転換した札幌の将来の姿や、そこへ向かう上での基本的な方針、脱炭素化を実現する時期に関する3つの問いについて、投票を行う予定です。

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