2021年12月〜22年2月に、脱炭素化技術のテクノロジーアセスメント(TA)の一環として、「脱炭素化技術の社会的影響に関するワークショップ」をオンラインで実施しました。ワークショップでは、フロントランナーのほかに脱炭素化技術等の専門家にも加わっていただき、評価枠組の案について意見交換しつつ、評価枠組案を用いて、日本における脱炭素化技術の開発利用の将来的なシナリオを検討するディスカッションを行いました。
第1回(2021年12月)は主に、プロジェクト側で作成している「評価枠組」の案を対象に意見交換しました。これを踏まえて第2回(2022年1月〜2月)では、日本の2050年脱炭素に向けた複数のシナリオを取り上げて、それぞれのシナリオが実現した場合の社会的影響を、評価枠組の案を使って検討するディスカッションを行いました。
ワークショップでは、「議論の「前提(脱炭素社会への移行)」確認の必要性」「かけがえのない地域コミュニティや文化の尊重」「コスト負担の公平性」「経済的合理性の視点」「何のための温室効果ガス削減なのか」「当事者視点での国民の参加」などの観点が議論され、評価枠組の開発や利用の方法を検討するための幅広い視点が得られました。
ワークショップで出された意見の詳細は、TAレポート「脱炭素化技術のELSIとその評価枠組」の第4章(85〜105ページ)をご覧ください。
(敬称略、所属・肩書きは当時)
区分 | 第1回 (2021年) |
第2回 (2022年) |
氏名 | 所属・職など | ||
12/9 | 12/15 | 1/28 | 2/1 | |||
フロントランナー | ○ | ○ | 有坂 美紀 | RCE北海道道央圏協議会 事務局長 | ||
○ | ○ | 岩田 紘宜 | ベンチャーキャピタリスト | |||
○ | ○ | 上田 假奈代 | 特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋 代表 | |||
○ | 上田 壮一 | 一般社団法人シンク・ジ・アース 理事 | ||||
○ | ○ | 小松 理虔 | ローカル・アクティビスト | |||
○ | ○ | 白木 朋子 | 特定非営利活動法人ACE 副代表/共同創業者 | |||
○ | ○ | 辻井 隆行 | ソーシャルビジネスコンサルタント | |||
○ | ○ | 前田 雄大 | EnergyShift 発行人兼統括編集長 | |||
○ | 松島 倫明 | 『WIRED』 日本版編集長 | ||||
○ | ○ | 山田 小百合 | 特定非営利活動法人Collable 代表 | |||
○ | ○ | 流郷 綾乃 | スパイスファクトリー取締役 CSO、株式会社ムスカ 前CEO | |||
○ | 田中 宏隆 | 株式会社シグマクシス 常務執行役員 | ||||
○ | 岡田 亜希子 | 株式会社シグマクシス リサーチ/インサイト スペシャリスト | ||||
脱炭素化技術等の専門家 | ○ | 功刀 基 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 主任 | |||
○ | ○ | 黒沢 厚志 | 一般財団法人エネルギー総合工学研究所 研究理事・主席研究員 | |||
○ | ○ | 田川 明広 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 研究推進室 技術主幹 | |||
○ | ○ | 田崎 智宏 | 国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環領域 室長 | |||
○ | ○ | 長野 浩司 | 一般財団法人電力中央研究所 特任役員 | |||
○ | ○ | 樋山 千冬 | 国立国会図書館 調査及び立法考査局 科学技術室長 | |||
○ | ○ | 森 俊介 | 国立研究開発法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター 研究統括 | |||
プロジェクトメンバー | ○ | ○ | ○ | ○ | 江守 正多** | 国立研究開発法人国立環境研究所 地球システム領域 副領域長 |
○ | ○ | ○ | ○ | 三上 直之* | 北海道大学高等教育推進機構 准教授 | |
○ | ○ | ○ | ○ | 八木 絵香 | 大阪大学COデザインセンター/社会技術共創研究センター 教授 | |
○ | ○ | ○ | ○ | 松浦 正浩 | 明治大学専門職大学院ガバナンス研究科 専任教授 | |
○ | ○ | ○ | ○ | ハルトヴィッヒ・マヌエラ | 国立研究開発法人国立環境研究所 地球システム領域 特別研究員 | |
○ | ○ | ○ | ○ | 郡 伸子 | 北海道大学高等教育推進機構 技術補助員 | |
○ | ○ | ○ | ○ | 山崎 翔 | 北海道大学高等教育推進機構 技術補助員 |
**は研究代表者、*はグループリーダー
ワークショップは、主に評価枠組の案自体に意見交換する第1回(2021年12月9日と12月15日実施)と、この評価枠組の案を使いながら、2050年の日本の脱炭素化の複数シナリオを、倫理的・法制度的・社会的影響の観点から比較、検討する第2回(2022年1月28日と2月1日実施)に分けて行いました。
第1回 2021年12月9日/12月15日:評価枠組の案について
時間 | 内容 |
19:00-19:05 | 開会 |
19:05-19:25 | 参加者紹介 |
19:25-19:40 | プロジェクトからの情報提供(プロジェクトの概要と評価枠組の案) |
19:40-20:10 | フロントランナーによるディスカッション① |
20:10-20:25 | 脱炭素化技術等の専門家からのコメント(問いかけ) |
20:25-20:55 | フロントランナーによるディスカッション② |
20:55-21:00 | 閉会 |
第2回 2022年1月28日/2月1日:脱炭素シナリオについて
時間 | 内容 |
19:00-19:05 | 開会 |
19:05-19:15 | 前回のおさらい、参加者紹介 |
19:15-19:35 | プロジェクトからの情報提供(脱炭素シナリオについて) |
19:35-20:55 | フロントランナーと脱炭素化技術の専門家によるディスカッション (2月1日は2グループに分かれて進行) |
20:55-21:00 | 閉会 |
評価枠組開発:江守正多、朝山慎一郎、林岳彦、ハルトヴィッヒ・マヌエラ(以上、国立環境研究所)、佐野亘(京都大学)、杉山昌広(東京大学)
脱炭素シナリオ資料作成:朝山慎一郎