プロジェクト

さっぽろヒグマ市民会議

さっぽろヒグマ市民会議とは

札幌市では近年、市街地や住宅街といった人の生活圏へのヒグマ出没が深刻な問題になっています。市民のヒグマに対する思いや考えは多様であることから、問題の解決にあたっては、札幌市民のヒグマに対する価値観を十分に考慮する必要がありますが、その全体像や特徴はよく分かっていません。

本プロジェクトでは、2021年度から2年にわたって行なわれた、札幌市のヒグマ対策の指針である「さっぽろヒグマ基本計画」の改定にあわせ、無作為抽出型の市民会議であるミニ・パブリックスの手法を応用し、札幌市のヒグマ出没について話し合う「さっぽろヒグマ市民会議」を開催しました。この市民会議により、札幌市民のヒグマに対する思いや考えを明らかにすることを目指しました。

さっぽろヒグマ市民会議は、2022年2月11日にオンラインで開催されました。札幌市全体の縮図となるように無作為に選んだ16歳以上の市民12名には、札幌市のヒグマ対策に関わる「出没後の対応」「市街地侵入抑制策」の2つの論点について話し合っていただきました。「出没後の対応」では出没個体の状態と出没場所に応じた対応について、「市街地侵入抑制策」では現行の対策における主体、規模、自身との関わりについて話し合いました。

今回の市民会議の概要および結果をまとめた『2021年度 さっぽろヒグマ市民会議実施報告書 これからの札幌市民とヒグマをめぐる、ミニ・パブリックスの実践と展開』は、2022年10月26日に公表されました。この実施報告書は、2023年度施行予定の「さっぽろヒグマ基本計画」改定の検討に際しての参照情報として、札幌市及びさっぽろヒグマ基本計画改定検討委員会に提供されました。

【主催】
北海道大学 理学院 科学コミュニケーション講座 科学技術コミュニケーション研究室 三上研究室
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門CoSTEP

【協力】
札幌市

*所属は当時のもの

結果報告

報告書(2022年10月発行)

 

成果発表(2022年3月22日発表)

 

研究メンバー

  • 遠藤 優(北海道大学大学院理学院博士後期課程/ 2021年度 CoSTEP研修科、系統地理学・進化生物学・科学技術コミュニケーション)
  • 三上 直之(北海道大学高等教育推進機構准教授、環境社会学・科学技術社会論)
  • 池田 貴子(北海道大学高等教育推進機構特任講師、生態学・科学技術コミュニケーション)

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さっぽろヒグマ市民会議は、北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター科学技術コミュニケーション教育研究部門CoSTEP(組織名は当時のもの)の2021年度研修科の一環として実施しています。

実施にあたっては、科研費基盤研究(B)「公共緑地の市民協働による管理運営の促進・阻害要因の解明」(JP19H02981)および若手研究「エキノコックス感染予防対策の社会実装にむけた教育パッケージの開発」(PJ19K14339)の支援を受けて行われました。