気候市民会議さっぽろ2020

日程と議論の内容、会議の進め方

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会議日程

2020年11月8日〜12月20日の計4回、各回とも13:00〜17:00、オンライン(Zoom)で開催しました。

日程 日時 内容
第1回 11月8日(日)13:00〜17:00 基礎的な情報提供
【論点1】脱炭素社会の将来像
第2回 11月22日(日)13:00〜17:00 【論点2】変革の道のり①〜エネルギー〜
第3回 12月6日(日)13:00〜17:00 【論点3】変革の道のり②〜移動と都市づくり、ライフスタイル〜
→【論点2】【論点3】についての投票
第4回 12月20日(日)13:00〜17:00 【論点1】脱炭素社会の将来像
→【論点1】についての投票

参加者

札幌市の住民基本台帳から無作為抽出した16歳以上の方、3000人に案内状を送付し、応募者の中から年代・性別などの構成が札幌市全体の縮図となるよう、10〜70代の20人(男性12人、女性8人)を選出しました。

参加者や関係者全員での集合写真

会議のテーマと論点

会議では、テーマ「札幌は、脱炭素社会への転換をどのように実現すべきか」のもと、実行委員会で設定した3つの論点を取り上げ、議論しました。論点ごとにさらに細かく2〜3個の問いを設定し、議論や投票に使用しました。

テーマ

札幌は、脱炭素社会への転換をどのように実現すべきか?

この全体テーマのもと、「温室効果ガス排出実質ゼロ」を実現した札幌のまちのすがたや暮らしのあり方と、そこに至る道筋や方法について踏み込んで話し合うため、主催者側で、あらかじめ次のような論点を設定する予定です。

論点

論点1 脱炭素社会の将来像
温室効果ガス実質排出ゼロを実現した札幌は、具体的にどのような姿に生まれ変わっているべきか? どのような方針やスピードで、何を大事にしつつ、その変化を実現していくべきか?

論点2 変革の道のり①〜エネルギー〜
住宅や事業所でのエネルギー利用による排出をゼロにするため、省エネルギーや、再生可能エネルギーの導入拡大などの対策を、どのように進めるべきか?

論点3 変革の道のり②〜移動と都市づくり、ライフスタイル〜
交通手段のゼロエミッション化や、脱炭素型の都市づくりなどの対策を、どのように進めるべきか? 脱炭素型のライフスタイル、ワークスタイルへの転換を促すため、どのようなしくみや取り組みが必要か?

会議の進め方

会議は、3つの論点それぞれについて、①参考人レクチャーと質疑応答による情報提供を聞いた後で、②参加者が4人ひと組のグループに分かれて議論を行い、最後に③投票(選択+記述式)を行うという構成で進めました。

参考人と主な担当

会議では、3つの論点について参加者が議論するのに必要な情報をバランスよく提供するため、関連分野の専門家や札幌市の担当者など、合わせて11人の参考人によるレクチャーを実施しました。

参考人と主な担当(登場順)

参考人 主な担当
江守 正多 実行委員・主たる参考人、国立環境研究所 地球環境研究センター副センター長
専門は気候変動の将来予測とリスク論。国立環境研究所気候変動リスク評価研究室長などを経て2018年から現職。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5 次・第6 次評価報告書の主執筆者を務める。
基礎的情報提供
論点1
山西 高弘 札幌市 環境局 環境都市推進部 環境政策課 気候変動対策担当係長
民間企業で勤務後、2013年札幌市入庁。建築物の衛生管理や次世代自動車の普及などの業務を経て、2019年から現職。札幌市の気候変動対策行動計画の策定などを担当。保有資格は一級建築士、環境計量士(濃度・騒音振動)など。
基礎的情報提供
論点1〜論点3
佐竹 輝洋 札幌市 環境局 環境都市推進部 環境政策課 環境政策担当係長
2004年札幌市入庁。2008年より現在の部署へ配属となり、環境省地球温暖化対策課への出向経験などを経て、2020年に現職。2018年6月に札幌市を含む全国29都市が選定された「SDGs 未来都市」や気候変動対策などを担当。
久保田 学 公益財団法人北海道環境財団事務局次長
温暖化対策推進法に基づく北海道地球温暖化防止活動推進センターや環境省北海道環境パートナーシップオフィスの設立・運営等を手がけ、主に北海道内で環境教育や環境政策、市民・企業の環境保全活動支援などに関わる。
論点1
有坂 美紀 RCE北海道道央圏協議会事務局長、Co.DESIGN 代表
水産業界紙記者や環境団体職員を経て2015年に独立。持続可能な開発に関する活動を幅広く手がけ、国連大学認定の地域拠点であるRCE北海道道央圏協議会では16年の設立時から現職。フェアトレードタウンさっぽろ戦略会議事務局長、札幌市環境審議会委員。
福島 明 北海道科学大学工学部建築学科教授
北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所副所長を経て現職。寒冷地住宅・建築の環境技術の研究に従事。環境・省エネルギー建築賞 国土交通大臣賞(2004年)、空気調和・衛生工学会賞 振興賞技術振興賞(2010年)受賞。
論点2
(住宅・業務部門の省エネルギー)
鈴木 亨 特定非営利活動法人北海道グリーンファンド(HGF)理事長
自治体職員、生協職員を経て、1999年HGF設立に参画、2011年より現職。2001年、日本初の市民出資による風力発電所を実現させる。地域経済の活性化に寄与する再エネを地域が主導して創り出していくため、風力、バイオガス等の事業会社を設立。環境もエネルギーも利益も、皆で分かち合う社会の創造に取り組む。
論点2(再生可能エネルギーの導入拡大)
長谷川 雅広 オフィス マルマ代表
会社勤務を経て、2001年現事業所設立。生物多様性保全と適切な自然資源アクセス構築の視点で、各種の調査や技術/手法提案業務、ガバナンス形成コーディネートに従事。北海道新聞連載の生き物フォトエッセイ他で知られる写真家・文筆家でもある。
竹内 純子 特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事・主席研究員、筑波大学客員教授、東北大学特任教授、U3innovations 合同会社共同創業者・代表取締役
1994年に東京電力に入社し、尾瀬の自然保護を10年以上にわたって手がけたほか、気候変動対策の国際交渉や環境・エネルギー政策に関する提言活動も担当した。2012年から独立の研究者として環境・エネルギー政策について幅広く調査・提言を行うほか、政府関係の委員も多数務める。2018年10月にエネルギーベンチャーのエコシステムを豊かにすることを目指し、U3innovations合同会社を起業。同社代表取締役を務めている。
原 文宏 一般社団法人北海道開発技術センター理事・地域政策研究所所長
積雪寒冷地の地域計画や交通計画に関する調査研究や、交通手段の確保が困難な地域の課題解決に従事。野生動物の交通事故対策や札幌の除雪対策、シーニックバイウェイ、サイクルツーリズムなど、地域交通に関わる幅広い分野で活動を展開している。
論点3(移動と都市づくり)
岡崎 朱実 北海道地球温暖化防止活動推進員
中高の教員を経て1986年から北海道在住。30年以上にわたり、ごみ問題や省エネルギー、環境団体のネットワーク形成や行政との協働の分野で活動。環境省登録環境カウンセラー、道環境保全活動功労者表彰(2015年度)、環境省地域環境保全功労者表彰(2016年度)受賞。
論点3(札幌市民の選択)

全体司会とファシリテーター

全体司会は、実行委員の八木絵香(大阪大学COデザインセンター教授)が務めました。グループ別の議論では、各グループに2人ずつファシリテーターが付いて、司会進行やメモの作成などを行い、参加者の議論を支援しました。ファシリテーターは、実行委員2人のほか、日本科学未来館の元科学コミュニケーターで気候変動に関する世界市民会議(World Wide Views)の企画運営に携わった経験のあるメンバーや、北海道のファシリテーションNPO「きたのわ」の会員など11人が加わり、計13人で各回・グループの進行を担当しました。